「IRONMAN を完走したい。でも、補給ジェルとドリンク、何を選べばいいのか分からない」
「練習では大丈夫でも、本番中盤で急に何も飲めなくなる。あの恐怖、ありますよね」
「Amazon で『IRONMAN 補給』で検索しても、種類が多すぎて選べない」
こんにちは。視覚障害B2クラスのパラトライアスリート・中澤 隆(なかざわ りゅう)です。盲導犬シュクレと一緒に、IRONMAN(226kmのトライアスロン)のサブ11時間挑戦を続けています。2024年と2025年、2年連続で IRONMAN ジャパン みなみ北海道を完走しました。
この記事は、僕が 2024年の本番で「甘すぎて全く飲めなかった」大失敗 から、2025年に辿り着いた「モルテン160ml × 10本+水+にがり」の自作レシピ までの、完全な一次情報を公開するものです。普通の「おすすめ補給ジェル10選」みたいな記事じゃありません。本番のリアルです。
IRONMAN の補給戦略で、最も重要なことを最初に言わせてください。
練習で大丈夫だった補給が、本番では飲めなくなる。
これが、IRONMAN の本当に怖いところです。
多くのサイトには「練習で試して、本番でも同じものを使いましょう」と書かれています。それは半分正解ですが、本番には練習にないストレスがかかります。高い気温、長時間の負荷、緊張、内臓の疲労。これが補給を「全部拒否」させます。
僕は 2024年、まさにこれをやりました。失敗から学んだ 2025年の戦略が、この記事の核心です。
当日。スイム 3.8km を泳いだ後、バイクに乗ってボトルに口をつけた瞬間、「うっ……」。
練習では問題なかったモルテンドリンクミックスが、異常に甘く感じた。喉が受け付けてくれない。口の中がベタつく。「飲まなきゃカロリーが足りない」と頭では分かっているのに、体が拒否する。
結果、バイク180km を 水とジェルだけで耐え抜く ことになりました。13時間14分17秒で完走できたものの、後半はエネルギー切れで明らかに失速。「補給戦略が間違っていた」と、ゴール後すぐに分かりました。
2024年の失敗を踏まえて、2025年は「甘すぎない、でもエネルギーは取れる」 自作レシピに切り替えました。これが、僕の現時点の正解です。
このレシピの何が良かったかというと、本番で「もう一口飲みたい」と思える味になったことです。にがりが甘さを引き締めて、長時間飲み続けても口の中がベタつかない。バイク180km を、ボトルからのエネルギー補給だけで乗り切れました。
結果は 15時間08分45秒で完走(PCクラス2位)。タイムは 2024年より落ちましたが、これは別の要因です。補給戦略自体は、2025年の方が圧倒的に成功でした。
本番だけが特別なんじゃありません。日々の練習でも、補給は決定的に重要です。僕が普段使っているのは、シンプルなセットです。
練習中のメインドリンクです。コスパが最高、味も最高。普通のポカリより甘さ控えめで、長時間練習でも飲み飽きしません。レモンの爽やかさが、夏の朝練習に最適。
Amazonで見る →※ 中澤の評価:「コスパ最高、味最高」
本番でも練習でも使う、糖質補給の主役。一袋でしっかりカロリーが取れます。ただし、僕の正直な感想は「甘すぎて嫌い」。だから、本番ではそのまま飲まず、水+にがりで希釈する自作レシピで使っています。
Amazonで見る →※ 中澤の評価:「甘すぎて嫌い。だから希釈する」
勝負どころで投入するのが、カフェイン入りのジェル。メダリストのカフェイン入りを愛用しています。バイク終盤やランの後半、集中力が落ちてきた瞬間に効きます。眠気覚ましじゃなく、「もうひと踏ん張り」のエネルギー源として。
Amazonで見る →※ 中澤の評価:「カフェインが効く瞬間に投入する」
2025年のバイク自作レシピで使った隠し味。甘さを引き締めて、口当たりを劇的に良くしてくれます。ミネラル補給にもなる。スーパーで手に入る食品用のもので十分です。
Amazonで見る →※ 中澤の評価:「甘さを和らげる隠し味」
長時間レースでもう一つ大事なのが、「味に飽きる」問題 です。同じ味のジェルを5時間連続で飲み続けると、必ず口が拒否します。
僕は意識的に 味を使い分けて います。柑橘系(レモン、グレープフルーツ)、コーヒー系、無味に近いもの、カフェイン入りで強めの味。レース中に「次は違う味のものを口にしよう」と思える状態を作っておきます。
これは、本番直前にコンビニで衝動買いするんじゃなく、練習中から複数の味を試して、自分の体が許容する範囲を知っておくことが大事です。
視覚障害B2クラスの僕にとって、レース中にジェルのパッケージを開けるのは、想像以上に大変な作業です。バイクに乗りながら、見えにくい指先で、ちょうどいい場所をつまんで、ちょうどいい力で破る——これが、健常者ランナーには分からない大きなハードルです。
だから僕は、レース前夜にすべてのジェル袋の切り口をハサミで切っておきます。完全に切り離すんじゃなく、「あとは引っ張れば開く」状態にしておく。これで、本番中の手間が劇的に減ります。
視覚障害B2クラスでなくても、これはすべてのトライアスリート・ランナーにおすすめの工夫です。本番のストレスフルな状況下で、手元の作業が一つ減るだけで、心理的な余裕が全然違います。
最後に、僕の経験を踏まえて、あなたが自分の補給戦略を作るための3ステップを提案します。
暑い日、長い時間、疲れた状態。本番より過酷な条件で補給を試して、それでも飲めるものを選ぶ。練習で「ギリギリ大丈夫」なものは、本番で必ず拒否されます。
メインの補給がダメだった時のために、味の違う代替品を必ず持って レースに臨む。僕は今、常に3〜4種類の味を使い分けています。
2025年の僕の「モルテン160 × 10本+水+にがり」は、レース2ヶ月前から練習で何度も試して完成させたレシピです。レース直前の発明は、ほぼ失敗します。早めに自分の正解を見つけてください。
視覚障害B2のパラトライアスリート・中澤隆が、学校・企業・自治体向けに講演を続けています。盲導犬シュクレも一緒に伺うことができます。
📧 つなひろワールドへお問い合わせ2026年9月13日、IRONMANジャパンみなみ北海道(225.8km)に挑みます。この挑戦は、支えてくれる人たちと一緒に作る物語です。日々の練習やレースの様子を発信しているので、そばで見届けてもらえたら嬉しいです。
中澤の挑戦を、これからも見届けてもらえたら嬉しいです。日々の練習やレース、盲導犬シュクレとの暮らしを発信しています。
新しい記事が出たら、メールでお知らせします。すぐ下のフォームから登録できます ↓
視覚障害B2のパラトライアスリート・中澤隆が、学校・企業向けに講演しています。
テーマ:「挑戦」「障害理解」「ダイバーシティ」「盲導犬と歩む人生」「工夫が速さになる」など
「諦めずに本番で工夫し続ける力」の講演もお受けしています。
あなたのトライアスロン挑戦が、最高の補給戦略と共に成功することを、心から願っています。
本記事の補給戦略について「中澤さんはあの場面でどうしてた?」など具体的な質問があれば、HPの問い合わせフォーム、または Instagram(@ryu__nakazawa)まで、お気軽にお寄せください。