朝、その日着るシャツもパンツも靴下も、妻が選んで出してくれる。僕はそれを身につけるだけ。服の色がほとんど分からない僕の朝は、そこから始まります。
もしあなたが、「視覚障害者は、服をどうやって選ぶんだろう」と素直に気になったことがあるなら——。
もしあなたが、「頼る」と「自分でやる」のバランスに悩んでいるなら——。
もしあなたが、生活の中で「肩の力を抜く場所」を探しているなら——。
この記事は、あなたのためのものです。
こんにちは。視覚障害B2クラスのパラトライアスリート・中澤 隆(なかざわ りゅう)です。盲導犬シュクレと一緒に、IRONMAN(226km)のサブ11時間挑戦を続けています。
今日は、見えない世界での僕の服選びのリアルを、一次情報でお伝えします。
結論を先に言うと——僕の服選びは、妻のコーディネートと、練習着は適当、この2本柱で回っています。
視覚障害B2の僕は、服の色がほとんど分かりません。
だから、服のコーディネートを「自分の目」で完結することは、できません。
ここで、僕の服選びの本当の支えが登場します——それが、妻です。
外出する時の服は、妻がコーディネートしてくれます。
その日着る上のシャツ、下のパンツ、靴下、それぞれを妻が選んで、出してくれる。
僕はそれを身につけるだけ。
「自分で選ぶ」を諦めることで、僕の朝のエネルギーは、本業(IRONMAN練習・講演・原稿)に集中できる。
「視覚障害B2だから、自分で服を選べない」と思うと、悔しいかもしれない。
でも、僕は逆に思います——妻と一緒に作るコーディネートこそ、僕の生活の中の温かさだ、と。
毎朝、妻が選んでくれた服を着る。
それは、妻からの「今日もいってらっしゃい」のメッセージでもあります。
練習に行く時の服は——適当に選びます。
練習相手はガイドの平川さん、コーチの吉野さん、仲間たち。
プールで泳ぐ、走る、バイクに乗る——どれも汗をかく場面。
清潔感さえあれば、組み合わせが多少ヘンでも気にしない。
むしろ、練習着まで完璧にコーディネートしようとすると、エネルギーがもたない。
視覚障害B2のパラトライアスリートにとって、体力は有限です。
朝の練習着を選ぶことに、5分も10分も使えない。
「適当でいい場面」と「気を使う場面」をはっきり分ける。
これも、長く続けるための1ミリの段取りです。
講演の日は、特に服装に気を使います。
聴衆の前に立つわけだから、清潔感のある服装でいたい。
講演用の服は、前日のうちに妻と一緒にセットします。
妻に「このシャツとこのパンツ、おかしくない?」と最終チェックしてもらう。
「クリーニングタグ取り忘れてない?」も妻が確認してくれる。
こうして、二重チェックで講演の朝を迎える。
朝の段取りで「あ、シャツがしわしわだった」を絶対避けるためです。
クローゼットや引き出しで、服の「場所」を妻と一緒に決めています。
大事なのは、物の位置を勝手に動かさないこと。
これは、視覚障害者の生活の鉄則です。
場所の固定があれば、「どの引き出しを開けるか」だけで、必要な服に手が届く。
ここでも、妻との協力が、見えない世界の段取りを支えてくれています。
視覚障害B2の僕にとって、妻は「見える世界の延長」です。
毎朝のコーディネート、講演用の二重チェック、服の位置の管理——どれも、妻と一緒だからこそ成り立つ生活。
頼ることは、弱さじゃない。
むしろ、協力して生きるための、1ミリの勇気です。
「自分一人で完結する」を諦めるところから、本当の自由が始まる。
講演の日は、特に服装に気を使います。
聴衆の前に立つわけだから、清潔感のある、きちんとした服装でいたい。
講演用の服は、前日のうちに全部セットしておきます。
クリーニングタグも妻に確認してもらって、清潔感は二重チェック。
朝の段取りで「あ、シャツがしわしわだった」を絶対避けるためです。
「見えないから、服装は適当でいい」と僕は思いません。
逆に、視覚障害B2だからこそ、服装を整えることが大事だと思っています。
なぜなら——
清潔感のある服装は、相手への配慮であり、自分への誇りでもある。
段取りで服を整える。
それが、見えない世界でも自分を保つ、僕なりの方法です。
服選び・着替えは、1日に1回しかしません。
でも、年間で365回繰り返します。
朝の5分を、段取りで1分にできれば、年間で1,500分(25時間)の節約。
1日のエネルギーが奪われない代わりに、1ミリの行動に回せる。
これが、服選びという小さなことを「気合いより段取り」でやる、本当の意味です。
視覚障害B2でない人にも、「触感ファッション」の知恵は使えます。
これだけで、朝の着替えはかなり楽になります。
気合いで服を選ぶより、段取りで服を選ぶ方が、毎日の質が上がります。
服選びも、気合いじゃなく1ミリの段取り。見えなくても、見えていても、同じ。
「視覚障害B2の生活の知恵」「段取りで生きる」「1ミリの行動」をテーマに、講演を続けています。学校・企業・自治体問わず、対応可能です。盲導犬シュクレも一緒に伺うことができます。
📧 つなひろワールドへお問い合わせ
RYU NAKAZAWA | 視覚障害B2 パラトライアスリート・プロ講演家
盲導犬シュクレと共に、1ミリの行動を続ける人
僕が視覚障害になってから今日までの道のりを、16分の動画にまとめています。文章より、声のほうが届く日もあると思うから。よかったら、そばに置いておいてください。
中澤の挑戦を、これからも見届けてもらえたら嬉しいです。日々の練習やレース、盲導犬シュクレとの暮らしを発信しています。
新しい記事が出たら、メールでお知らせします。すぐ下のフォームから登録できます ↓