もしあなたが、福祉の授業や人権教育のゲストティーチャーとして「視覚障害の当事者を呼びたい」と思ったものの、当日どう進むのか、何を準備すればいいのか分からず、最初の一通のメールで手が止まっているなら——。
もしあなたが、「盲導犬も来るって、教室の動線は大丈夫かな」「子どもがワッと寄っていったら」と、想像の中だけで不安がふくらんでいるなら——。
もしあなたが、せっかく外部講師を呼ぶなら、その1回を学校全体で活かしたいと考えているなら——。
この記事は、あなたのためのものです。
こんにちは。視覚障害B2クラスのパラトライアスリート・中澤 隆(なかざわ りゅう)です。盲導犬シュクレと一緒に、IRONMAN(226km)のサブ11時間挑戦を続けながら、講演を9年継続中。ここ3〜4年は年間50回前後で、小学校・中学校・高校を中心に登壇しています。
今日は、講演のテーマや意味の話ではなく、「呼んでから、当日を終えるまでの実務の流れ」を、呼ばれる側の立場から、時系列で全部書きます。先生が当日をイメージできて、安心して一歩を踏み出せる。そのためのチェックリストのつもりです。
最初にお伝えしたいのは、準備は「完璧」でなくて大丈夫だということです。細かいことは打ち合わせで一緒に決めていけます。ご依頼の段階では、次の項目が大まかに決まっていれば十分です。
「まだ全部は決まっていない」という状態で、まったく問題ありません。むしろ、先に相談してもらえたほうが、テーマも進行も、その学校に合わせて組めます。
僕がお話しできるのは、「視覚障害B2の生活」「IRONMAN サブ11挑戦」「1ミリの行動」「障害理解」など。そのうえで、「今年は人権教育の一環で」「総合の福祉単元に合わせて」といった学校側のねらいがあれば、そこに寄せて構成を変えます。丸投げでも、細かいリクエストでも、どちらでも受け止めます。
「特別な設備が要るのでは」と身構える先生が多いのですが、実際に必要なものは、ごく普通のものだけです。
スライドや映像が絶対に必要、ということはありません。基本は、僕の声と体験で伝えるスタイルです。そのぶん、機材トラブルで進行が止まる心配も少なくてすみます。
ひとつだけお願いしたいのは、会場までの案内役を、当日おひとりお願いしたいということ。僕は視覚障害B2なので、まったく見えないわけではありませんが、初めての場所では、入口から会場までの道のりを目だけで把握するのが難しい。駅や玄関で「お迎え」をしていただけると、そこから先はスムーズです。
視覚障害B2の僕にとって、初めて伺う学校の講演は、移動の段取りも含めて1日がかりの仕事です。だからこそ、当日の「お迎え」と「見送り」の声かけが、何よりありがたい。逆に言えば、そこさえ押さえてもらえれば、あとは特別な準備は要りません。
講演には、盲導犬シュクレも一緒に伺うことができます。子どもたちにとって、シュクレの存在はいつも大きな驚きと喜びになります。会場全体がふわっと温かくなる、あの空気が僕は好きです。
そのうえで、先生に事前に知っておいてほしい、シンプルなお願いがあります。
難しい対応は必要ありません。「そっと見守る」を子どもたちと共有しておく。それだけで、シュクレも安心して僕の隣にいられます。この「見守る優しさ」を子どもたちが体験することそのものが、実は一番の障害理解の授業になります。
当日、どう進むのか。イメージしやすいように、時系列で並べます。
特別な段取りはありません。学校側で大がかりに準備することもありません。普段の集会や授業の延長線上で進みます。
控室での短い打ち合わせと、当日の「お迎え・見送り」。この2つさえ押さえれば、当日はうまく流れます。
ちなみに、当日は僕自身も、毎回どこかで「教わって」帰ってきます。ある小学校では、4年生の発表を聞きながら、僕のほうが学ぶ側になりました。当日の空気がどんなものか知りたい方は、記事末の講演レポートも読んでみてください。
ここは、多くの先生が「知らなかった」と言ってくださる部分です。同じ学校の中に、話を届けられる相手は3種類います。
生徒向けと同じテーマのベースで、先生方にも、保護者にも、届けられます。1回で終わりにするのではなく、1校を3本に横展開できる——これは、外部講師を呼ぶ手間や予算を考えたとき、学校にとってもメリットの大きい使い方だと思っています。生徒+教員+保護者を、事前動画や事後フォローも含めた年間プログラムとして組むこともできます。
子ども向けに話しながら、僕はいつも思っています。本当は、後ろで聞いてくださっている先生方にも、お父さんお母さんにも、伝えたいことがあるんです、と。もし当日、「うちの研修でも」「PTAでも」という話が少しでも浮かんだら、遠慮なくお声がけください。押し売りはしません。ご興味があれば、というだけの話です。
いいえ、学校側で用意していただく資料は基本的にありません。僕は声と体験で伝えるスタイルなので、投影機材が必須ということはありません。
「お迎え」と「見送り」の案内、これがいちばん大きなお願いです。それ以外の場面は、状況を言葉で教えていただければ、自分でできることがたくさんあります。「あっち」ではなく「右に3歩」のように、具体的な言葉で教えてもらえると助かります。
問題ありません。シュクレは仕事中は静かに僕の隣にいます。前もって子どもたちに「そっと見守ろうね」と共有しておいてもらえれば、当日は穏やかに進みます。
もちろんです。学校・自治体・非営利の場合は、ご事情に合わせてご相談ください。まず「こういうことを考えている」という段階でお問い合わせいただければ、そこから一緒に組み立てられます。
はい、歓迎です。マネジメント会社や団体を経由したご依頼も、いつもどおりお受けしています。普段お使いの窓口があれば、その形のままで大丈夫です。
難しく考えなくて大丈夫です。決まっていないことがあっても、そのままで構いません。
「まだ検討段階で」という一通でも、まったく問題ありません。学校・自治体・非営利の場合の費用も、その中でご相談いただけます。
もしあなたが、「呼びたい気持ちはあるけれど、当日をうまく回せるか不安で、一歩が出なかった」なら——。
覚えておいてほしいのは、これだけです。特別な設備は要りません。当日の「お迎え」と「見送り」を、おひとりお願いできれば大丈夫。盲導犬には「そっと見守ろうね」を子どもたちと共有しておく。そして、1回の講演は、先生にも保護者にも広げられる。
あとの細かいことは、打ち合わせで一緒に決めていけます。準備を完璧にしてから呼ぶ必要はありません。「まず相談してみる」の一通が、あなたの学校の子どもたちにとって、忘れられない1日の入口になります。
できる/できないじゃなく、どうやったらできるか。当日の流れは、呼ばれる側の僕が、ちゃんと一緒に考えます。
「視覚障害B2の生活」「IRONMAN サブ11挑戦」「1ミリの行動」「障害理解」をテーマに、講演を続けています。小学校・中学校・高校・大学・企業・自治体問わず、対応可能です。盲導犬シュクレも一緒に伺うことができます。学校・自治体・非営利の場合の費用は、お気軽にご相談ください。
📧 つなひろワールドへお問い合わせ中澤の挑戦を、これからも見届けてもらえたら嬉しいです。日々の練習やレース、盲導犬シュクレとの暮らしを発信しています。
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RYU NAKAZAWA | 視覚障害B2 パラトライアスリート・プロ講演家
盲導犬シュクレと共に、1ミリの行動を続ける人