2026年9月、IRONMAN北海道の226kmを、僕は新しい相棒・平川さんと走ります。スイムは1本のロープでつながり、バイクはタンデム自転車に前後で乗る。それだけの距離を誰かに任せられるのは、仲間の紹介という「信頼のリレー」が、二人のあいだにすでに橋を架けていたからです。
もしあなたが、「新しい仲間との出会いは、どこからやってくるんだろう」と、ふと考えたことがあるなら——。
もしあなたが、誰かを誰かに紹介したり、されたりしたことがあって、「縁って、本当に不思議だな」と感じた経験があるなら——。
もしあなたが、大きな挑戦を前にして、「新しいパートナーと、ちゃんと信頼を築けるだろうか」と、少しだけ不安と期待を抱えているなら——。
この記事は、あなたのためのものです。
こんにちは。視覚障害B2クラスのパラトライアスリート・中澤 隆(なかざわ りゅう)です。盲導犬シュクレと一緒に、IRONMAN(226km)のサブ11時間を目指して挑み続けています。全国での講演活動は、年間50回前後になりました。
今日は、2026年9月のIRONMAN北海道で、僕の隣を走ってくれる新しい相棒——ガイドの平川さんのことを書きます。平川さんとは、仲間の紹介で繋がりました。出会いの細かい場面を作り話で飾るつもりはありません。むしろ僕が伝えたいのは、「人を介して、信頼がどう広がっていくのか」という、繋がりそのものの話です。
平川さんとの出会いは、僕が自分で探して見つけたものではありません。仲間の紹介で繋がりました。誰かが「この人とこの人、きっと合うよ」と橋をかけてくれた。その橋を渡って、僕と平川さんは出会いました。
僕はこの「紹介で繋がる」という形を、とても大切にしています。なぜなら、紹介というのは、信頼のリレーだからです。間に立ってくれた仲間が、僕のことを信じてくれていて、平川さんのことも信じている。その二つの信頼が結ばれて、新しい繋がりが生まれる。つまり、平川さんと僕のあいだには、出会う前から、誰かの信頼が橋として架かっていたんです。
新しい出会いの多くは、誰かの紹介から生まれる。
それは、間に立つ人の信頼を引き継ぐこと。
自分の力だけで出会える世界は小さい。でも、誰かを介すれば、輪はどこまでも広がっていく。
「縁」という言葉があります。僕は、この縁こそが、人生を動かしていく大きな力だと感じています。自分一人の力で掴めるものには、限りがある。でも、人と人の繋がりがつれてきてくれる出会いには、限りがない。平川さんは、その縁が僕のもとに届けてくれた、大切な相棒です。振り返ってみれば、僕の人生の大きな転機は、いつも誰かとの出会いから始まっていました。トライアスロンとの出会いも、ガイドとの出会いも、妻との再会も。一つひとつの縁が、僕を次の場所へ連れていってくれました。だから僕は、縁というものを、心から信じています。
2026年9月、僕はIRONMAN北海道に挑みます。スイム3.8km、バイク180km、ラン42.195km。合計226kmのこの距離を、来たるレースでは、平川さんと一緒に走ります。新しいゴールを、新しい相棒と目指す。これは僕にとって、すごく特別なことです。
ガイドというのは、ただ隣を走る人ではありません。スイムでは伴泳ロープ1本で繋がり、バイクではタンデム自転車に前後で乗り、ランでは1本のロープを握って横に並ぶ。路面の状況を声で伝え、ペース配分を一緒に考え、安全を一緒に判断する。つまり、僕の「目」になり、僕と同じ方向を向いて、同じゴールを目指してくれるパートナーです。
新しい相棒との挑戦は、
新しい信頼を一から積み上げていく旅。
その第一歩を、僕は支えられて踏み出します。
226kmを誰かに任せるというのは、簡単なことではありません。相手を信じきれなければ、足はすくみます。でも僕は、平川さんとなら、その信頼をしっかり育てていけると感じています。なぜなら、僕たちのあいだには、紹介してくれた仲間の信頼が、すでに土台として架かっているからです。ゼロからではなく、すでにある繋がりの上に、二人の信頼を重ねていく。それが、平川さんとの挑戦です。
僕が「紹介で繋がること」をこんなに大切にする理由を、もう少し書かせてください。誰かが誰かを紹介するとき、そこには必ずその人の信用が乗っかっています。「この人なら大丈夫」「この人とこの人なら、きっと合う」。そう判断して橋をかけてくれるということは、間に立つ人が、自分の信用を少しだけ預けてくれているということなんです。
だから、紹介で繋がった相手とは、いい加減な付き合い方はできません。もし僕が平川さんとの関係を雑に扱ってしまったら、それは紹介してくれた仲間の顔に泥を塗ることになります。逆に、僕と平川さんがいい関係を築けたら、それは紹介してくれた仲間の信用を、さらに高めることになる。紹介は、信頼のリレーです。バトンを受け取ったら、それを大切に握って、次へ繋いでいく。僕は、そういう気持ちで、新しい縁を受け取るようにしています。
誰かが繋いでくれた縁には、
その人の信用が乗っている。
だから僕は、受け取ったバトンを、大切に握ります。
人と人が、人を介して繋がっていく。この連なりこそが、社会というものなのかもしれません。自分の世界に閉じこもっていたら、出会えなかった人。誰かのおかげで、僕の人生に加わってくれた人。平川さんは、まさにそういう存在です。縁を運んでくれた仲間に、僕は心から感謝しています。
視覚障害のあるアスリートにガイドがつくと聞くと、多くの方は「見えない人を助けてあげる人」というイメージを持たれます。でも、もう一度はっきり書いておきたいことがあります。ガイドは、見えない僕を一方的に「引っ張ってあげる人」ではありません。僕と平川さんは、対等なチームです。
レースの最中、平川さんは僕に見えない景色を声で届けてくれます。「この先、下り坂」「いいペースだよ」「あと少し」。その一言が、僕にとっての世界になる。一方で、僕は僕で、全力でペダルを回し、全力で腕を振り、全力で前に進む。お互いが、お互いの役割を全うする。どちらが上でも下でもありません。二人で一つのゴールを作る。それがチームです。僕が全力を出せば出すほど、平川さんもそれに応えてくれる。平川さんが的確に導いてくれるほど、僕も安心して力を出せる。そうやって、お互いの力を引き出し合えるのが、いいチームなのだと思います。
かつての僕は、助けてもらう自分が情けなかった。
でも今は分かる。助けてもらうことは、弱さじゃない。
一緒にゴールを目指す、対等なチームの証なんだと。
トライアスロンを始めたばかりの頃、僕は「助けてもらう側」になることが、悔しくてたまりませんでした。でも、何年もガイドと走るうちに、気づいたんです。助けを借りることは、負けではない。むしろ、信じて任せられる相手がいることは、強さなんだと。平川さんという新しい相棒を迎えるいま、僕はその強さを、もう一度噛みしめています。
平川さんへの感謝を語るとき、僕はもう一人——いえ、もっとたくさんの人のことを、忘れたくありません。平川さんを僕に紹介してくれた仲間です。
僕が大切にしている考え方に、「後ろ側の人まで理解する」というものがあります。平川さんがガイドとして隣にいてくれるその背景には、紹介してくれた仲間がいて、平川さんを送り出してくれる周りの人たちがいて、たくさんの繋がりがある。僕の挑戦は、目の前の一人だけで成り立っているのではなく、その人を取り巻く輪ごとに支えられています。
一人の相棒の向こうには、
その人を繋いでくれた人がいる。
僕の感謝は、その繋がりの輪ぜんぶに向けたい。
だから僕は、平川さんと走るとき、紹介してくれた仲間のことも、心の中でいつも一緒に走らせています。一人の出会いの裏には、何人もの人の善意がある。それに気づけたとき、挑戦はもっと豊かなものになります。僕は、繋がりの輪の中で、北海道のゴールを目指します。
新しいパートナーと何かを始めるとき、人は不安になります。ちゃんと信頼を築けるだろうか。うまくやっていけるだろうか。僕も、まったく不安がないわけではありません。でも、それ以上に、僕は期待でいっぱいです。
なぜなら、新しい出会いは、新しい景色を見せてくれるからです。これまで一緒に走ってくれた人たちがいて、そして今、平川さんという新しい相棒が加わる。繋がりの輪は、こうして少しずつ大きくなっていく。一つひとつの出会いが、僕の世界を広げてくれます。新しい出会いは、怖がるものではなく、受け取るものなんです。
視覚障害者になったばかりの頃の僕は、新しい人と出会うことが、こわくて仕方ありませんでした。「見えない自分を、どう思われるだろう」「迷惑をかけてしまうんじゃないか」。そんな不安で、いつも下を向いていました。でも、トライアスロンを始めて、たくさんのガイドや仲間と出会う中で、僕は変わっていきました。出会いは、不安よりもずっと大きな喜びを連れてきてくれる。そのことを、何度も経験したからです。平川さんとの出会いも、その喜びの一つ。だから今の僕は、新しい縁を、まっすぐ受け取ることができます。
あなたにも、これから新しい出会いがあるはずです。誰かの紹介で繋がる人、思いがけない縁が運んでくる人。その出会いを、どうか大切に受け取ってください。そして、繋いでくれた人にも、感謝を向けてみてください。繋がりは、感謝で温まり、感謝で広がっていきます。
新しい相棒・平川さんとの挑戦を語るとき、僕は、これまで一緒に走ってくれた人たちのことも、忘れたくありません。新しい人と組むことは、これまでの人を忘れることでは、決してないからです。僕の挑戦は、出会ってきた一人ひとりの支えが、層になって積み上がってできています。新しい縁が加わるたびに、その層はもっと厚く、もっと豊かになっていく。
2026年9月のIRONMAN北海道は、僕にとって、新しい一歩です。でもそれは、ゼロからの一歩ではありません。これまで支えてくれたすべての人の上に立って、踏み出す一歩です。だから僕は、不安よりも、感謝の気持ちのほうがずっと大きい。平川さんという新しい相棒を迎えられること。新しいゴールに、新しい仲間と挑めること。それは、僕がこれまで繋がりを大切にしてきたから、巡ってきた縁だと思っています。
新しい相棒を迎えることは、
これまでの相棒を忘れることじゃない。
支えてくれた人が、層になって積み上がっていく。
一つの出会いを大切にすると、それが次の出会いを連れてくる。平川さんとの縁も、これまで僕が大切にしてきた繋がりの中から、生まれたものです。これからも、一つひとつの縁を大切に握りしめて、繋がりの輪を、ゆっくりと広げていきたい。新しい相棒と走る226kmが、また新しい縁を運んできてくれることを、僕は楽しみにしています。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。最後に、あなたに伝えたいことがあります。
人生で出会える人の数は、自分一人の力では、そんなに多くありません。でも、人を介すれば、繋がりは無限に広がっていきます。あなたが今、誰かと信頼関係を築いているなら、その繋がりは、いつかまた別の誰かへと橋をかけてくれます。あなたが誰かを大切にすることが、めぐりめぐって、新しい縁になって返ってくる。繋がりとは、そういうものだと、僕は信じています。
僕はこれから、平川さんという新しい相棒と、2026年9月の北海道で226kmに挑みます。新しい信頼を一から積み上げながら、繋いでくれた仲間への感謝を胸に、繋がりの輪の中で前に進みます。ピンチはチャンス、そのカギは工夫と、人との繋がり。
あなたも、縁を信じて、繋がりの輪を広げていってください。一緒に、人生を現役で生きていきましょう。今日も、最後まで読んでくれて、本当にありがとう。
2026年9月13日、IRONMANジャパンみなみ北海道(225.8km)に挑みます。この挑戦は、支えてくれる人たちと一緒に作る物語です。日々の練習やレースの様子を発信しているので、そばで見届けてもらえたら嬉しいです。
中澤の挑戦を、これからも見届けてもらえたら嬉しいです。日々の練習やレース、盲導犬シュクレとの暮らしを発信しています。
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RYU NAKAZAWA | 視覚障害B2 パラトライアスリート・プロ講演家
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