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📅 2026.05.04 | RYU NAKAZAWA
💪 挑戦

パラトライアスロン B2クラスとは?視覚障害アスリートが語るクラス分けの実態と挑戦

もしあなたが「パラトライアスロンに挑戦したい」「自分はどのクラスに該当するのか知りたい」と思っているなら、この記事はあなたのために書きました。

僕は中澤隆。視覚障害B2クラスのパラトライアスリートとして、2024年・2025年と2年連続でIRONMAN ジャパン みなみ北海道(226km)を完走しています。

2010年、31歳で緑内障により視覚障害者となり、最初は「もう走れない」と絶望しました。でもガイドランナーの平川さん(2018年から)、盲導犬シュクレ(2022年から)との出会いで、今では年間50回以上の講演をこなしながらフルディスタンスに挑戦しています。

この記事では、パラトライアスロンのクラス分け、特にB2クラスの実態を、僕自身の経験をもとに解説します。

競技規則の話だけでなく、「実際にB2クラスで走るとはどういうことか」まで踏み込みます。


パラトライアスロンのクラス分けとは?

パラトライアスロンでは、障害の種類と程度によって公平に競技できるようクラス分けがされています。

主なカテゴリは以下の通りです。

視覚障害クラス(PTVI)は、さらにB1・B2・B3の3段階に細分化されます。


視覚障害クラスB1・B2・B3の違い

B1クラス(全盲)

B2クラス(弱視・僕のクラス)

B3クラス(弱視・軽度)

僕はB2クラス。

視野は5度以下、つまり「トンネルの先に小さな穴が開いている」ような見え方です。

晴れた日は少し輪郭が見えますが、曇りや雨の日は足元の段差すら分かりません。


B2クラスで走る現実:ガイドランナーとの一体感

「B2なら少しは見えるんでしょ?」

よく聞かれます。でも競技中は「見える」とは言えません。

スイムでの課題

スイムでは基本的にガイドと紐で繋がって泳ぎます(規則上は任意ですが、B2では紐を使うケースが多い)。

波やうねりで方向感覚を失いやすく、「まっすぐ泳いでいるつもりが大きく蛇行」は日常茶飯事。

2025年のIRONMANでは、スイム3.8kmを1:27:53で完泳しましたが、これは練習で何度も平川さんと呼吸を合わせた結果です。

バイクでの課題

視野5度では路面の凹凸、前方の障害物、カーブの先がほとんど見えません。

ガイドとのタンデムバイク [楽天](二人乗り自転車)を使いますが、後輪に乗る僕は「前が見えないまま時速30km以上で走る」感覚です。

2025年のバイク180kmは6:06:53

下り坂では平川さんの「右カーブ!」「段差!」という声だけが頼り。全幅の信頼がないと成立しない競技です。

ランでの課題

ランではガイドと紐(テザー)で繋がって走ります。

B2クラスでも単独走行は不可能ではありませんが、コース誤認や転倒リスクが高いため、ガイド同伴が基本です。

2025年のラン42.195kmは7:17:39

後半は足が上がらず、平川さんに何度も「あと○km!」と励まされて完走しました。


B2クラスで大会に出るには?(クラス分け申請)

パラトライアスロンの大会に出場するには、クラス分け(Classification)を受ける必要があります。

具体的な手順は以下の通り。

医師の診断書を取得

眼科医による視力・視野の測定結果が必要

日本パラトライアスロン連合(JPTA)に申請

診断書を提出し、クラス分けを申請

大会当日にクラス分け審査

国際大会では、クラシファイア(専門審査員)による再評価がある場合も

僕が初めてクラス分けを受けたのは2012年。

当時はTRI-6(旧クラス名)でしたが、現在はB2として競技しています。


B2クラスの練習法とガイドの重要性

「B2クラスの練習ってどうやるの?」

これも頻繁に聞かれる質問です。

スイム練習

プールでは壁を触って方向確認しながら泳ぎます。

オープンウォーターでは必ずガイド同伴。平川さんとは2018年から週1回ペースでスイム練習をしてきました。

バイク練習

タンデムバイクでの練習が必須。

ガイドとの息の合わせ方、カーブでの体重移動、下りでのブレーキタイミングなど、一朝一夕では身につきません。

平川さんとは何百回と走り込んできました。

ラン練習

日常練習では盲導犬シュクレと一緒に走ることもありますが、競技用の高速走行では平川さんと紐で繋がって走ります。

「右!」「段差!」「スピード上げるよ!」といった声かけを瞬時に理解して体を動かす信頼関係が命です。


B2クラスのレース戦略:数字で見る挑戦

IRONMAN 2024 vs 2025の比較

種目2024年(初挑戦)2025年
スイム(要追記)1:27:53-
バイク(要追記)6:06:53-
ラン(要追記)7:17:39-
合計13:14:1715:08:45+1:54:28

2025年はラン後半で大きく失速しましたが、それでもPC・IDクラス2位

2024年は3位だったので、順位は上げながらもタイムは落としています。

これはレースごとの気象条件、コース変更、体調管理が大きく影響するIRONMANの難しさです。


B2クラスの未来:sub11への挑戦

僕の目標は「IRONMAN sub11時間」

2025年の15:08:45から約4時間の短縮が必要です。

現実的には2026年9月のIRONMANで12時間台を目指しています。

そのために必要なのは:

具体的な練習メニュー、FTP向上策、補給戦略については有料noteで詳しく公開しています。


まとめ:B2クラスで挑戦するあなたへ

パラトライアスロンB2クラスは、「見えない」中での挑戦です。

でもガイドとの信頼、練習の積み重ね、諦めない心があれば、必ず完走できます。

僕自身、2010年に視覚障害者となった時は「もう走れない」と思いました。

でも今では一生涯現役を誓い、IRONMANに挑戦し続けています。

もしあなたが視覚障害を持ちながらトライアスロンに興味があるなら、まずは地元のパラトライアスロンクラブや、日本パラトライアスロン連合に問い合わせてみてください。

ガイドとの出会い、仲間との練習が、あなたの人生を変えるかもしれません。


📝 さらに深く学びたい方へ

講演依頼・取材はこちら:info@tsunahiro.com

一緒に、一生涯現役を目指しましょう。


*中澤隆(なかざわ りゅう)*

*視覚障害B2クラス / IRONMANチャレンジャー / 東京ゆかりパラアスリート*

*盲導犬シュクレと東京都在住*

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視覚障害B2のパラトライアスリート・中澤隆が、学校・企業向けに講演しています。

テーマ:「挑戦」「障害理解」「ダイバーシティ」「盲導犬と歩む人生」

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